訳の変更について

マタイ13章24節 

毒麦→雑草

2024年5月5日日曜日

マタイによる福音書第25章(欽定訳)

25章

1. そこで、天の王国は、十人のおとめたちが自分たちのランプを持って花婿に会いに出て行くのと似ている。
2. 彼女たちの五人は思慮深く、五人は愚かな人たちだった。
3. 愚かな人々は、それぞれランプは持っていたが、彼女たちは油を持って来てはいなかった。
4. しかし、思慮深い人々は、自分のランプと共に、彼女たちの入れ物に油を持っていた。
5. しかし、花婿がぐずぐずしているので、皆は眠気で重くなり眠ってしまった。
6. さて、夜中に叫び声が起こった。『見なさい、花婿が来られたよ!彼に会いに行きなさい。』
7. そこで、これらのおとめたちは皆起き上がり、彼女たちのランプを用意した。
8. それから、愚かな者たち思慮深い者たちに言った。『あなたたちの油をいくらか私たちにもらえませんか。私たちのランプは消えかかっているのです。』
9. しかし、思慮深い者たちは、答えてこう言った。『私たちとあなたたちとに十分なほどはありません。行ってあなたたちのために買った方が良いですよ。』
10. ところが、彼女たちが買うために出て行くと花婿が来てしまった。そして、用意のできている人々[人々]は彼と共に婚宴に入って行き、は閉じられた。
11. それから、後になって残されたおとめたちも来てこう言った。『よ、よ、私たちです。開けてください。』
12. しかし、彼は答えて言った。『アーメン。私はおまえたちに言う。私はおまえたちを知らない。』
13. それだからこそ用心していなさい。人の子が来るその日、その時をおまえたちは知らないからだ。
14. (天の王国[1]は)外国にでかけるある人が、自分の僕たちを呼んで彼らに彼の財産を渡すようなものだ。
15. そして、ある者には彼は五つのタラントを与え、ある人には二つを、ある人には一つを、それぞれの能力に応じて与えた。そして、すぐに外国に出て行った。
16. さて、五タラントを受けた人は、行って、それで取り引きし、他に五タラントを得て来た。
17. 同じ様に、二タラントの者も、彼は他に二つを得て来た。
18. しかし、一タラントを受けた人は、去ってを掘り、彼の主人の銀を隠した。 
19. さて、多くの時が経った後、これらの僕たちの主が来て彼らと共に勘定書の清算をした。
20. すると、五タラントを受けた人がもう五タラントを持ってきてこう言った。『主よ、あなたは、五タラントを私にお渡しになりましたが、私はそれらの上に、もう五タラントを得て来ました。』
21. すると、彼の主人は彼に言った、『申し分がない。善良で、忠実な僕よ。おまえはわずかなものに忠実だった。私はおまえに多くのものを任せよう。おまえのの喜びの内に入りなさい。』
22. また、二タラントを受けた者も来て言った。『あなたは私に二タラントをお渡しになりましたが、ご覧ください。それらの他に私はもう二タラントを得ました。』
23. 彼の主は彼に言った。『満足だ、善良で忠実な僕よ。おまえはわずかなものにも忠実だった。私はおまえに多くのものを任せよう。おまえの主である、私の喜びの中に入りなさい。』
24. さて、一タラントを受けた者も来て言った、『主よ、私は難しい人であることを知っていました。あなたは種を蒔かなかった所から収穫し、散らさなかった所から集めるのです。
25. それで、私は恐かったのであなたのタラントに隠しておきました。ご覧ください。あなたの物をお取り下さい。』
26. すると、彼の主は彼に向かって答えて言った。『悪い怠け者の僕め。お前は私が種を蒔かなかった場所から収穫し、私が散らさなかった場所で集める事を知っていたのか。
27. それなら、お前は私の銀をあの銀行家たちの所に置いておくべきだったのに。そうしたら、私は来て利息と一緒に私のものを受けられたのだ。
28. だから、彼からタラントを取り上げよ。そして、十タラントを持っている人にあげよ。
29. 持っている者には、与えられて彼はさらに富む。しかし、持っていない者は、彼が持っているものも取り上げられるからだ。
30. そして、この役にたたない僕は、外の暗闇に投げ出せ。そこで泣き叫び、歯ぎしりするのだ。』
31. また、人の子彼の栄光のうちに来る時には、聖なる使いたちもすべてと一緒なのだ。それから彼の栄光の玉座に着く。
32. そして、の前にすべての国民[2]が集められ、羊飼い山羊どもからたちを分けるように彼らを分ける。
33. そして、たちはに置き、山羊どもはに置く。
34. それから、彼の右にいる人々に語りかける。『おいでなさい。私の父に祝福されている人々よ。この世界の基(敷設)の時から[i]あなたがたのために用意されていた王国を受け継ぎなさい。
35. が空腹であった時に[ii]あなたがたはに食べる物をくれた。そして、乾いている時にに飲み物をくれ、寄留の外国人であった時に寛大に受け入れてくれた。
36. また、裸の時にはあなたがたは着せ、が病気であった時には尋ねてくれた。が牢屋にあった時には来てくれたではないか。』
37. その時、義人たちはに答えてこう言う。『よ私たちはいつあなたが空腹であったのを見て、食べ物をさし上げましたか?また、渇いているのを見て、飲み物をさし上げましたか?
38. そして、あなたが寄留の外国人であったのを見て、寛大におもてなし致しましたか?また、裸だったので着せて差し上げましたか?
39. また、いつあなたが病気であったのを見、牢獄におられるのを見て、あなたの所に行って差し上げたのですか?』、
40. すると、は彼らに言う。『アーメン。はあなたがたに言う。これらの私の兄弟たちだからということで、最も小さな(人)の一人にしてくれたのは、あなたがたがにした事なのだ。』
41. そして、それからにいる人々に言う。『から離れよ。これらの呪われた者どもよ。そして、ディアボロスとその使いたちのために用意されていた永遠の火の中に行け。
42. が空腹であったのに、お前たちは食べ物をくれず、が渇いていたのに、飲み物をくれなかった。
43. が寄留の外国人であった時に、を受け入れてくれなかったし、裸であったのだがお前たちはに着せてくれなかった。そして、病気であったし、牢屋にいたのだが、お前たちは尋ねてくれなかったからだ。』
44. その時、彼らはに言う。『よ、いつ私たちはあなたの空腹だったり、乾いていたのを、また、寄留の外国人であったり、裸であったり、病気であったり、牢屋におられたの見て助けに行きませんでしたか?』
45. その時、は彼らに答えてこう言う。『アーメン。[3]お前たちに言う。私の弟子だというのに小さな者たちの一人に[4]お前たちが何もしなかったのは、お前たちにもしなかった事なのだ。』
46. そして、これらの者どもは永遠の罰に入るが、正しい人々は永遠の命に入る。」



[1] KJからの挿入
[2] ησνη
[3] ὑμῖν
[4] ἐποιήσατε pl




[i] ὑμῖν
[ii] ἐδώκατέ pl

Matthew 25

New King James Version (NKJV)
The Parable of the Wise and Foolish Virgins
25 “Then the kingdom of heaven shall be likened to ten virgins who took their lamps and went out to meet the bridegroom.
 Now five of them were wise, and five were foolish. 
Those who were foolish took their lamps and took no oil with them,
 but the wise took oil in their vessels with their lamps.
But while the bridegroom was delayed, they all slumbered and slept.
“And at midnight a cry was heard: ‘Behold, the bridegroom is coming; go out to meet him!’ 
Then all those virgins arose and trimmed their lamps. 
And the foolish said to the wise, ‘Give us some of your oil, for our lamps are going out.’
 But the wise answered, saying, ‘No, lest there should not be enough for us and you; but go rather to those who sell, and buy for yourselves.’ 
10 And while they went to buy, the bridegroom came, and those who were ready went in with him to the wedding; and the door was shut.
11 “Afterward the other virgins came also, saying, ‘Lord, Lord, open to us!’ 
12 But he answered and said, ‘Assuredly, I say to you, I do not know you.’
13 “Watch therefore, for you know neither the day nor the hour in which the Son of Man is coming.
The Parable of the Talents
14 “For the kingdom of heaven is like a man traveling to a far country, who called his own servants and delivered his goods to them. 15 And to one he gave five talents, to another two, and to another one, to each according to his own ability; and immediately he went on a journey. 
16 Then he who had received the five talents went and traded with them, and made another five talents. 
17 And likewise he who had received two gained two more also. 18 But he who had received one went and dug in the ground, and hid his lord’s money. 19 After a long time the lord of those servants came and settled accounts with them.
20 “So he who had received five talents came and brought five other talents, saying, ‘Lord, you delivered to me five talents; look, I have gained five more talents besides them.’ 
21 His lord said to him, ‘Well done, good and faithful servant; you were faithful over a few things, I will make you ruler over many things. Enter into the joy of your lord.’
 22 He also who had received two talents came and said, ‘Lord, you delivered to me two talents; look, I have gained two more talents besides them.’
23 His lord said to him, ‘Well done, good and faithful servant; you have been faithful over a few things, I will make you ruler over many things. Enter into the joy of your lord.’
24 “Then he who had received the one talent came and said, ‘Lord, I knew you to be a hard man, reaping where you have not sown, and gathering where you have not scattered seed. 25 And I was afraid, and went and hid your talent in the ground. Look, there you have what is yours.’
26 “But his lord answered and said to him, ‘You wicked and lazy servant, you knew that I reap where I have not sown, and gather where I have not scattered seed.
 27 So you ought to have deposited my money with the bankers, and at my coming I would have received back my own with interest.
28 Therefore take the talent from him, and give it to him who has ten talents.
29 ‘For to everyone who has, more will be given, and he will have abundance; but from him who does not have, even what he has will be taken away. 30 And cast the unprofitable servant into the outer darkness. There will be weeping and gnashing of teeth.’
The Son of Man Will Judge the Nations
31 “When the Son of Man comes in His glory, and all the holy[c] angels with Him, then He will sit on the throne of His glory. 
32 All the nations will be gathered before Him, and He will separate them one from another, as a shepherd divides his sheep from the goats.
 33 And He will set the sheep on His right hand, but the goats on the left.
 34 Then the King will say to those on His right hand, ‘Come, you blessed of My Father, inherit the kingdom prepared for you from the foundation of the world:
 35 for I was hungry and you gave Me food; I was thirsty and you gave Me drink; I was a stranger and you took Me in; 
36 I was naked and you clothed Me; I was sick and you visited Me; I was in prison and you came to Me.’
37 “Then the righteous will answer Him, saying, ‘Lord, when did we see You hungry and feed You, or thirsty and give You drink? 38 When did we see You a stranger and take You in, or naked and clotheYou? 39 Or when did we see You sick, or in prison, and come to You?’ 40 And the King will answer and say to them, ‘Assuredly, I say to you, inasmuch as you did it to one of the least of these My brethren, you did it to Me.’
41 “Then He will also say to those on the left hand, ‘Depart from Me, you cursed, into the everlasting fire prepared for the devil and his angels: 42 for I was hungry and you gave Me no food; I was thirsty and you gave Me no drink; 43 I was a stranger and you did not take Me in, naked and you did not clothe Me, sick and in prison and you did not visit Me.’
44 “Then they also will answer Him,[d] saying, ‘Lord, when did we see You hungry or thirsty or a stranger or naked or sick or in prison, and did not minister to You?’ 
45 Then He will answer them, saying, ‘Assuredly, I say to you, inasmuch as you did not do it to one of the least of these, you did not do it to Me.’ 
46 And these will go away into everlasting punishment, but the righteous into eternal life.”

2024年3月22日金曜日

 

マタイによる福音書(UBD

MATTHEWmathu;主の賜物)アルファヨと呼ばれるある人物の息子。レビと呼ばれた(Mark2:14;Luke5:27



彼の居住地

マタイの住居はカペルナウムにあった。そして、彼は、「徴税請負人」であった。当時、ゲネサレ湖の沿岸には非常に多くの人々が住んでおり、漁業が生計の源であり、またその湖面は海上交通で混雑していた。マタイが徴税請負人をしていたカペルナウムの税関はローマ帝国によって確立された。本来の徴税請負人たちはローマ人の金持ちたちであったが、彼らは居住民を配当人(portitors)と呼ばれる人々を代理人にして職務を代行させた。マタイはこのような人々に属する。

マタイの召し

マタイについては、次のように記述されている。「取税所に座っていた」彼に、イエスが「私に従ってきなさい」と言われた。多分、彼はあらかじめイエスを知っていた。なぜなら、彼は、「すぐに立ち上がって」彼に従って行った、とあるからである。(Matt.9.9;Mark2:14;Luke5:27-28

この後まもなくマタイは「自分の家で彼のために盛大に宴会を催した」(Luke5:29;Matt.9:10;Mark2:15)そして、それは彼の昔ながらの仲間たちに別れを告げるためであった。なぜなら、「多くの徴税請負人たちや、罪びとたちが来て晩餐の席についていた」とある。(Matt.9:10

この後のことについては、我々は使徒の名簿(Luke6:15)と、主が昇天された後、エルサレムの2階にいた(Acts1:13)でのこと以外には、彼についての記述を見ることがない。

古代からの証によれば、彼の名に負うところのこの福音書はこの使徒によって書かれたのである。伝説によれば、マタイは主の昇天の後、12年から15年間ユダヤで福音を宣教した後、他の国々に行ったのである。

AB

福音の意味は、「良きおとずれ」、又は、「喜ばしい知らせ」である。それは一般的にこのメッセージそれ自体を示している。しかし、ここでは、このメッセージを含む記録についての書として用いられている。

新約聖書の著者の称号として用いられている「聖徒」という言葉は、ローマ・カトリックに由来するが、何の権威もない。

一般的には、マタイは最初彼の母語である、パレスティナの言語で書いたということが、かなり信じられている。その言語は純粋のへブル語ではなく、へブル語と、カルディア語と、シリア語との混成言語であり、普通、「Syro-Chaldaic」または、「Aramean

と呼ばれるものである。私たちの救い主は、疑いなくこの言語を会話にお使いになっていた。そして、彼の弟子たちもまた、この言語を自然に使い、他の言語を用いて書くのに良い理由がなければならない場合を除いて、この言語を用いていたのである。

新約聖書で残存しているものはギリシャ語のものであることは、承認されている。

 

マタイ福音書

序章      メシアなるイエス(HBH

マタイが特に強調する点は、イエスが旧約の預言者たちによってあらかじめ語られたメシアであるということである。マタイは繰り返し繰り返し旧約聖書から引用する。ユダヤ人読者を特に意識していたからであろう。この福音書は「天の御国」という言葉を非常に多く繰り返しているので、天国の福音とまで呼ばれている。全部とは言えないが、年代順よりもむしろ題目順に主な事件が集められている。イエスの説教、特に「山上の説教」「再臨と終末の教え」はすべて収録されている。

マタイ

この福音書に著者の名は出ていない。しかしパピアス(使徒ヨハネの弟子)に始まる初代教父の時代以来、使徒マタイの作と認められている。

マタイについてはほとんど何もわからない。彼はレビとも呼ばれた。十二使徒の名があげられている4つの記録は、どれも彼の名を記している。(マタイ10:3,マルコ3:18,ルカ6:15、使徒1:13)その他には彼がイエスの召命を受けた時の記事があるだけである。

Mat.9:9-13;Mark2:14-17;Luk5:27-32

マタイが自分について語っている唯一の言葉は、恥を意味する「取税人」という言葉であった。取税人はローマの税金徴収者であるが、多くは搾取を常習としていたので、一般の人々から軽蔑されていた。ルカの福音書には、マタイがイエスのために宴会を催し、イエスに従うために一切を捨てたとある。しかし、マタイはそれを自力でしたとは思っていない。彼は英雄に対する崇敬の念から我を忘れたのである。この我を忘れた謙遜さのゆえに、我々は彼を愛するのである。

また、このような人を「全世界で最も広く読まれた本」だというこの福音書の著者として選ばれた神の恵みに驚嘆する。

伝承ではマタイは幾年かをパレスティナで宣教し、その後諸外国を旅行した。彼はその福音書を最初はヘブル語で書き、幾年か後に、多分60年頃、さらに完全なギリシャ語の福音書として世に出したという。しかし本書を記した事の人類に与えた貢献はいかに大きかった事か。

マタイは取税人という職業で記録を取る事に慣れていたし、イエスの公生涯の間、個人的な接触があった。マタイがマルコの福音書から取材したという、広く行き渡った確証のない仮定は、明らかに馬鹿げた説である。マルコがイエスを知っていたかどうかは、確かではない。マタイはなぜ自分の目で見たり、自分の耳で聞いたりしたことを、目撃者でもない者の記録から取材しなければならないのか。